パニック障害は救急病院を受診されることの多い不定愁訴のひとつで、ふとしたきっかけで始まる、大きな不安と急激な体の不調にとらわれるパニック発作が特徴です。
パニック発作は典型的には、強い動悸や窒息するような感じとともに、「このままでは死んでしまう」というような強い不安感に一時的に支配される状態です。過呼吸の症状を伴う場合もよくあります。症状が極めて強いために救急車を呼んだり、病院に駆け込んだりするほどですが、しばらくすると何事も無かったかのように回復します。
あまりに強い不安のために、「またあの状態になったらどうしよう」という発作に対する不安(=予期不安)にさいなまれるのも特徴です。心電図を含む諸検査は正常のため、医師には「問題ない」と説明されてしまい、適切な診断をうけられず、ドクターショッピングを繰り返すようになることも多い病気です。
満員電車の中やエレベーターのなかなど、「助けを求められない」場所にいることが発作の引き金になることがあります。こうしたばあい、患者さんはパニックを起こしそうな場所を避ける傾向が生じるばあいがあり、この状態を広場恐怖(ひろばきょうふ)と呼ぶこともあります。
パニック発作が激烈でない場合、時に息苦しい感じがする、時に胸苦しい感じがする、といったマイルドな症状になることもあり、内科を受診しても適切な対応が受けられないことも多いと思われます。
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