起立性調節障害(OD)の方は、寝ている姿勢から立ち上がったときに特徴的な血圧変化をきたすことが知られています。どのような血圧変化が起こるのか以下に紹介していきます。
(以下のグラフは小児心身医学会ガイドライン集より引用しています)
↓まず、正常の方の血圧です。矢印の時点で立ち上がっています。
起き上がった瞬間は血圧が下がりますが、20秒程度で正常血圧に復帰しているのが分かります。
起立性調節障害は、専門的には起立直後性低血圧(INOH)、遷延性起立性低血圧(delayed OH)、体位性頻脈症候群(POTS)、神経調節性失神(NMS)に分けられます。
↓起立性調節障害(起立直後性低血圧:INOH)の方のグラフです。
立ち上がった後、1分たっても、2分たっても血圧が元の水準にもどりません。およそ7分たって、やっともとの血圧にもどりました。これでは、立ち眩みを感じるのも無理ありません。
↓起立性調節障害(遷延性起立性低血圧:delayed OH)の方のグラフです。
立ち上がった後、血圧はすぐに正常に復帰しますが、立ち続けると徐々に血圧が低下していきます。学校の朝礼など、長時間の立位がとてもつらいはずです。
↓起立性調節障害(体位性頻脈症候群:POTS)の方のグラフです。
起立後の血圧低下は目立ちませんが脈拍数(HR)が極端に上昇しています。血圧は保っていますが、立位をとり続けるだけで疲れてしまいそうです。立っていると動悸を感じることもあるでしょう。
↓起立性調節障害(神経調節性失神:NMS)の方のグラフです。
起き上がった後、暫くはなんともありません(よくみると徐々に脈拍が上がっています)、しかし6分を経過した頃、血圧が急激に落ち込んでいます。この時点で脳にいく血流が保てず、意識を失って倒れてしまいます。
起立性調節障害の中で最も重症のタイプで、怪我をしたりなど危険が伴います(朝礼中に倒れるタイプの子供はタイプです)。
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