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不定愁訴とは

不定愁訴とは患者さんが「疲労感が取れない」、「よく眠れない」、「頭痛」、「イライラ感」などの症状を訴えるのにもかかわらず、それに見合った原因となる病気が見つからない場合、その症状のことを「不定愁訴」と呼びます。

この医学用語を理解するためには、いったん英語に置き換えてみるのが早道です。
英語ではMedically Unexplained Symptoms(=医学的に説明できない症状)と表現されます。

たとえば、あるときあなたが胸の痛みを感じたとしましょう。あなたは病院を受診します。医師は整然と問診をこなし、胸部レントゲン、心電図、血液検査といった諸検査をオーダーします。不安になりながらも検査が終わり、医師の説明を受けるときがきます。

「異常ありません、お帰りになって結構ですよ」

あなたは、安堵のため息をつきます。たいしたこと無くてよかった。ところが、ふと疑問が頭をよぎります。

「では、この痛みは何なのでしょうか?」

「うーん、そうですねえ…、鎮痛薬を出しておきますから、様子を見てください」

?? なにか、分かったような、分からないような?

こんな経験はないですか?

そう、あなたのこの「胸の痛み」こそが「医学的に説明できない症状」、すなわち不定愁訴なのです。

不定愁訴はどこにでもある

先ほどの胸の痛みの例をどうご覧になりましたか? 「よくありそうなこと」と感じられませんか? そう、この世は不定愁訴に満ちています。すべての症状に医学的に説明がつくわけではありません。診察室に持ち込まれる症状の半分以上は一般的な医学知識では説明が不可能です。いわゆる「身体的な病気」とは関係のない「症状」はそこかしこに存在しています。

たとえば、気分が晴れないときには頭が重くなるでしょうし、緊張したときには動悸を感じるでしょう。しかし、当然のことながら医学的な検査では異常を示しません。ですから、もし不快感を感じて医師に相談するならば、立派な不定愁訴の一つとなります。

問題なのは、重症化した不定愁訴

不定愁訴がどこにでもある「病気?」なのがお分かりいただけましたでしょうか? 先述の胸痛の例のようなものならば、放っておくうちに治ってしまうことがほとんどでしょう。しかし、問題なのはこの「医学的に説明できない症状」が長引き、重症化し、本人を苦しめる場合が多々存在するということです。

そうした、長引く不定愁訴の患者さんは、実際とても不幸な状況に追い込まれます。朝から晩まで体の調子が悪い。かといって医者に相談しても、適当な検査をされたのちに、「以上ありません、様子を見ましょう」とあいまいなことを言われるだけ。

ドクターショッピングを繰り返しても、事情は変わりません。家族や友人にも理解されず「考えすぎ」とか、「気合が足りない」とか言われるばかり。難病奇病を扱うテレビ番組を見て、「簡単には診断できない珍しい病気なのではないか」と不安にさいなまれながら、何とか日、一日を這うように過ごしている。私の経験ではそうした状況にある患者さんは非常に大勢いらっしゃいます。

筆者が研修を積んだ大学病院の総合診療科外来では、初診患者さんの実に3分の2くらいは、この長引き、重症化した不定愁訴を訴える方々でした。そのほとんどの方は、ドクターショッピング(医療機関を次々と、あるいは同時に受診すること)を繰り返すだけ繰り返したのち、すがるような気持ちで、大学病院の総合診療科までたどり着かれていたのでした。

不定愁訴のよくある症状

不定愁訴とは「医学的に説明がつかない症状」のことですから、その症状は千差万別、多岐にわたります。ただ、病気ではないかと心配して病院を受診されるわけですから、一定の傾向を持つのも確かです。よくある症状としては

背部痛、関節痛、四肢の痛み、頭痛、脱力感、疲労、睡眠障害、集中力低下、食欲低下、体重変化、情緒不安、イライラ、考えがまとまらない、胸痛、息切れ、動悸、めまい感、咽喉閉塞感、しびれ感、悪心、嘔吐、軟便、排ガス、腹部膨満、便秘、腹痛、物忘れ、頭痛、性欲減退、発汗、ほてり、寒気、血圧上昇、頻尿、尿意切迫、骨盤痛、冷え症

(不定愁訴のABC : Christopher Burton著、竹本 毅 訳 日経BP社 P.4,31,33 より改変して引用)

などが知られています。

不定愁訴の診断について

ほとんどの医師は症状を不定愁訴と考えた場合、それ以上の診断には踏み込みません(普通の医師には踏み込むスキルがありません)。

しかし、不定愁訴の「治療」まで考えるならば、その不定愁訴をさらに細かく診断し、治療法を探る必要が在ります。しかし、不定愁訴の診断については、決して整合性のとれたものではなく、多くの重複がみられます。

不定愁訴をあえて「診断」して病名を与える場合は、

起立性調節障害、各種不安障害、(仮面)うつ病、線維筋痛症、慢性疲労症候群、過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア、機能性頭痛、非心臓性胸痛、慢性骨盤痛、更年期障害、解離性障害、転換性障害、身体表現性障害、心気症、心気神経症

といった病名がつくことになります。

不定愁訴の治療法について

治療に関しては先項で述べたような、診断に対応する適切な治療方法を選ぶことになりますが、ほとんどの不定愁訴は難治性であり、単純な治療には反応しません。たとえば、抗うつ薬を投与すれば治りますとか、抗不安薬ですっきり解決しますとか、そういうわけにはいきません。
ですから、これら不定愁訴に関しては、ほとんどの医師は「治しようがない」と考えています(医学部のカリキュラムには不定愁訴に関する教育はほとんどありません)。

多くの場合、不定愁訴は心と体の相互作用(=心身相互作用)を通して、形成されており、「体や脳へのアプローチ」だけでもダメですし、「心理へのアプローチ」だけでも解決しません。また、ここでは詳しく述べませんが、漢方薬に代表されるような東洋医学の手法の併用も必要になる場合がほとんどです。
つまり、内科医だけでなく、精神科医にも、心理カウンセラーにも、漢方医にも治せないのが、不定愁訴の現実です。

しかし、一つ一つでは、決定打が存在しなくても、これらの手法を組合わせることによって、ほとんどの方を治癒まで導くことができることを、当サイトの管理人は発見・実証し、現在は日本で唯一の不定愁訴専門医を名乗っています。

当サイトでは、この不定愁訴一般の解説を含め、不定愁訴を構成する各種疾患の紹介、診断・治療法や不定愁訴への向き合い方、お困りの方へのアドバイスなどをお伝えいたします。

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